LINE@button

新里龍太を偲んで

この記事をたくさんの方に読んで欲しいです。ぜひシェアをよろしくお願いします。

Kindle-20160605
俺とお前が出会ったのは、
宜野湾にある国立の病院。

俺は5歳から入院して
中学3年を向かえる頃
前歯がかけたお前は
スラッと入院にやってきた。

その頃お前は
気管切開をしたばかりで
声を失い
かなりの絶望の中にもいたにもかかわらず
ケロッと普通にテレビを見ていた。

俺と同じ同級生の子が
入院してくるといい
なぜか「勇武さん仲良くしてください」といろんな人から声をかけられた。

スポンサーリンク

新里龍太と出会った頃


はじめ見たときは
俺とまったく正反対の体格で
今にも折れそうな腕と脚
俺の頭周りくらいしかないお前の胴回り
そして、気管切開の時に折られてしまった片方しかない前歯。

折れそうな腕と脚だなぁと
思ってる矢先
入院して10日もたたないうちに
本当に足の骨を折るという
いやな出来事が立て続けに起きるという
訳のわからないスパイラル。

前の病院で肺炎を起こし
気管切開をして
すべての声帯を失い
新しい病院に入院してきて早々
足の骨を折る骨折をし
全治2ヶ月の絶対安静。

今のお前と俺の関係だと
かわいそうなヤツだと
笑って冗談にすることもできたが
あの頃は本当に心配で仕方がなかった。
スポンサーリンク

お前からのプレゼント


できるだけ
人との関わりを持った方がいいと思って
一日1回はベット上の絶対安静のお前のところへ行って
声をかけたような記憶がある。

大丈夫かと声かけると
眼球だけで大丈夫だと合図を送っていたな

すると声かけから3日後
看護婦さんから
「龍太さんからプレゼントがあります」
っていうから驚いたよ

いや俺何もしてないのに
なんでプレゼント?

訳のわからないまま
受け取っていいのかわからず
そこへいくと
3分の2食べかけられていた「わさビーフ」だった。

違う意味でまた
本当に受け取っていいのか
何なのかまったくわからなくなった。

毎日声かけてくれるのがうれしかったのはわかるが
食べかけはごめん。

いらない・・・。

さらに俺、わさび嫌いだし・・・

お前と過ごした病院生活


それから元気になったお前は
声が出ないことをいいことに
「カッカッカッ」という破裂音だけで
毒舌がとかエロ話だとか
まあよくしゃべることしゃべること

何か一緒に悪さをして
看護師長に怒られてる時
俺らが一生懸命謝ってる時でも
看護師長の文句をできるだけ
本人には伝わらないように
普通に言ってたのにはマイッタ。

コミュニケーションがうまく取れない
お前だけなぜか部屋にテレビとビデオを設置していいみたいな
訳のわからない特別ルールがあった。

だがお前は
そんな特別ルールのありがたさなんて感じていなくて

裸の男女が大人のコミニケーションをするビデオばっかりを集めて
それを隠れて見ていた。

あれは絶対に病院のスタッフにばれていたに違いない。

俺はそこで本当の飯島愛と出会った。

退院後の生活はお前の独壇場


20歳を過ぎた頃まずは俺から退院をやった。
それから数年後
まさか気管切開をしている
言葉でのコミュニケーションが難しいお前が出るなんて
本当にびっくりした。

はじめはあまりにもはちゃめちゃな退院計画に
めちゃくちゃ喧嘩するほどいいあった。

それでもお前は本当にたくましく
自分での自立生活をスタートさせた。

那覇市で自立生活をスタートさせたお前は
本当にイキイキして
入院している時よりも
お酒をガンガン飲んで
寝ずに飲み歩いていたっていう話は
たくさんの方からの現状報告で
何度も何度も聞かされた。

お前らしい、自立生活の楽しみ方だと話を聞くだけでこっちが笑ってしまった。

お酒だけにおぼれて
常にぐうたら生活をするような
ダメ人間になるのかなと思ったら
一応真面目なところもあったんだな

入院時から始めた絵画や美術の分野での
イベント企画や自己の表現を始めた。

お前の絵には魂がある。

お前の絵には心がある。

お前の絵には礼儀がある。

お前の絵には遊びがある。

お前の絵には言葉がある。

お前の絵には優しさがある。

お前の絵には動がある。

お前の絵には愛がある。


たくさんの仲間に囲まれながら
PA展も毎年行ったな・・・

本当にお前のその細い手で
描いたとは思えないくらいの恐ろしく大きなキャンパスに
お前の色を強く乗せていたのは、本当にすべての人の心に届いたと思う。

お前はたくさんの人の何かを変えることができたんだよ。

お前はたくさんの人の心に入ったんだ。

梅雨のど真ん中


2016年6月4日
梅雨のど真ん中というのに
太陽の光が痛く感じるほどの猛暑日。

お前の告別式があった。

たくさんの人で会場が溢れ出し
お前の顔を見てお別れをしたにもかかわらず
帰ろうとしない人でいっぱいだった。

人生に勝ち負けがあるのなら
お前は勝ちだな・・・

俺さ・・・
現実逃避をしているんじゃなくて
俺、お前はまだ死んでいないと思うんだ。

お前はまだ生きている。

おい!お前は生きてるんだよ!

俺は騙されないぞ

バカだね

この俺を騙さると思っているのか?

お前は生きてるんだよ

お前は生きてるの!

俺は新里龍太を偲ばない


俺は新里龍太を偲ばない。

誰がお前なんかを偲ぶか!

喪にも服さない。

パーティーなんか、ガンガン出てやる。

歌なんか歌いまくってやる。

ハッピーな歌から進んで歌ってやる。

お前を絶対天国にはまだ連れて行かせない。

おい!お前言っただろ!

NHKホールに一緒に行くって

バカなの!

こっちは一言一句覚えてんだよ!

だから、まだ天に召されるのは早えーだよ!

だから、見とけよ!

これからだからな!

おい!聞いてんのか!

おい!見とけよ!

俺やるからな!

それまではお前がどんな状況であろうと
こっちは知ったこっちゃない

お前、言葉に責任持て!

俺やるからな
見とけよ!

俺、やるからよ


お前と出会って23年目の夏
あれから月日は経ち
なぜかいつのまにか
俺、わさびが大好きになったんだ。

ポテトチップは数回に分けて食べるようになり
それが1/3くらいに残ったポテトチップを食べる時
あのプレゼントでもらったくらいシケったポテトチップも
またうまいと感じてしまう。


Kindle-20160605-2

The following two tabs change content below.
生まれつきの進行性脊髄性筋萎縮症で車イス生活をしています。進行性脊髄性筋萎縮症とは全身の筋肉が日々衰えていく難病です。 自分の言葉や想いを文字にし、ブログで独自の世界観を表現していきます。 詳細は→プロフィール
スポンサーリンク